マンションや分譲住宅の案内パンフレットを見ると、夫婦の寝室のスペースは以前にくらべて、わずかながら広くなってきているようです。しかし、これまでの寝室は、住まいのなかではずいぶんないがしろにされてきたと思います。いままでは、あたえられた寝室にあわせて生活をしてきました。けれども、これからは、自分たちの生活にあわせた寝室をつくり、暮らしていく、そういう時期にきていると思います。夫婦が別べつの寝室をもつ、というのもそのひとつです。子どもたちにはそれぞれ個室をあたえているのに、ちがう家で育ち、趣味も風習も異なった夫婦がひとつ部屋におさまらなければならない、というきまりはないのです。田無市のNさんは、昨年11月に家を新築されました。お年寄り夫婦と若夫婦が同じ屋根の下に暮らす、いわゆる2世帯住宅で、1階が親世代、2階が子世代の住空間です。子世代のほうのN氏は会社役員、忙しい身で帰宅がしばしば午前サマ、ということも少なくありません。すでにおやすみになっている奥さまに気がねしながら寝室へ、というのでは落ちつきません。就寝前に書類に目を通すこともあります。そんなわけで、夫婦別室にしました。
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