プロバイダ事業者が本格的に日本に登場したのは、一九九四年。しかも、当時のプロバイダ事業者のすべてがベンチャー企業だった。NTTがOCNサービスを開始する一九九六年十月までの間、日本のインターネット接続サービスは、ベンチャーのプロバイダ事業者が支えていたことになる。簡単にその歴史を振り返ってみよう。一九九四年五月、IIJが日本で最初のプロバイダ事業者として、専用線を使ったインターネット接続サービスを始める。このIIJの設立に深く関わっていたのが、アスキーの西和彦と慶応義塾大学の村井純教授。同年九月、ベッコアメ・インターネットが、定額料金制のダイヤルアップIP接続サービスを始める。そして十月には、リムネットがダイヤルアップIP接続サービスを始める。こうしてベンチャー企業主導で、インターネットは企業や一般家庭を中心にまたたく間に広まっていく。ここで、一九九四年がネット企業にとって大事な年だとする理由をもう一度整理してみよう。
雇用のメカニズムとしてインターネットを使えないかという大きな期待が出てきています。もともと雇用の分野におけるメディアへの要求というのは、商品の販売の場合とはかなり異なります。普通の商品の場合、その情報をマスメディアで流すというのはある程度、相性がよいのです。それは、買い手の個性というものはあったとしても、しょせん提供する商品そのものがマスプロダクトだからです。つまり均一的なメディアで均一的な情報を均一的に配るということで相関関係がある、といえます。これに対して、雇用関係は雇用主と雇われる人間の関係は、あくまでも一対一で個別の関係に近いものがある。ここにインターネットをメディアとして用いることへの大きな期待が出てくる根本的理由があるのです。
プライバシー侵害を問題視する向きもあるが、デモグラフィック(性別・年齢)や地域に応じた属性を加味できるようになるなど、行動ターゲティングを取り巻く技術は急激に進化しており、こうした新しい技術を積極的に取り入れることが、顧客満足度の向上とネット広告の新しい「儲けのしくみ」となり、107ページの図で見たネット広告の成長を支える源泉となっている。ヤフーの決算が好調なのも、行動ターゲティングが奏功しているからである。ちなみに、電通の「2006年(平成18年)日本の広告費」によると、広告の伸び率は、マス4媒体はいずれもマイナスで、伸びているのはSP(セールスプロモーション)、衛星メディア関連、そしてインターネット関連である。衛星メディア関連が伸びているのは以前のパイが小さすぎたからであろうが、SPとインターネットが伸びているのは、投資対効果にすぐれ、実効性のある広告を求める昨今の広告主の志向に沿っているからである。
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